チームIZUMO
インターンシップ成果報告

開発スキル紹介

『私の気分記録』

このスキルは、日々の気分を1から10の段階で記録できる「マインドログ」機能を提供します。

スキルを起動すると、Alexaが今日の気分を尋ね、前回の記録も教えてくれます。これにより、ユーザーは自分の心の状態の変化を客観的に把握できます。

さらに、記録した気分に合わせて、Alexaが名言を伝えてくれます。

前回より気分が上向いていれば、「明日も頑張ろう」と思えるような言葉を。気分が下がっていれば、そっと背中を押してくれるような励ましの言葉を。

この対話を通じて、ユーザーの日常に寄り添い、小さな楽しみと心の癒しを提供することを目指しました。

※今回は技術的な理由から、前回の記録をデータベースに保存して呼び出すといった処理を実装することはできませんでした。そこで代替として、前回の数字は1~10の中からランダムに選ばれる仕組みにし、その数字と今回入力した数字を比較して、アレクサが名言を読み上げるようにしました。

私の気分記録のアイコン画像

搭載した名言

前回より気分が上がっていた時

  • Love the life you live, Live the life you live 自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。(ジャマイカのレゲエミュージシャン ボブ・マーリー)
  • 世界にはきみ以外には誰にも歩むことのできない、唯一の道がある。その道はどこに行きつくのか、問うてはならない。ひたすら進め。(ドイツの哲学者、ニーチェ)
  • 困難を予期するな。決して起こらないかも知れぬことに、心を悩ますな。常に心に太陽を持て。(アメリカ合衆国建国時の政治家)

前回より気分が下がっていた時

  • ここで重要なのは人生の意味への問いを180度転換することです。私たちは問われている存在なのです。私たちが人生から何を期待するかではなく、むしろひたすらに生きることが私たちに何を期待してるのかが問題なのです。(ユダヤ人精神科医 ヴィクトール・フランクル)
  • この世に生きる価値のない人などいない。人は誰でも、誰かの重荷を軽くしてあげることができるからだ。(イギリスの小説家、チャールズ・ディケンズ)
  • 君がつまずいてしまったことに興味はない。そこから立ち上がることに関心があるのだ。今日もがきあがくことは今日だけのものではない。広々と広がる未来のためにある。(アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーン)

数値が前回と変わらないとき

  • If you’re not doing some things that are crazy, then you’re doing the wrong things. 他人から常軌を逸していると思われるようなことをやっていないとしたら、あなたは間違ったことをやっている。(Google 創業者 ラリー・ペイジ)
  • 人を信じよ、しかし、その百倍も自らを信じよ。(漫画家、手塚治虫)

今日の気分を10と答えた時の名言

  • 世界を見よう、危険でも立ち向かおう、壁の裏側を覗こう、もっとお互いを知ろうそして感じよう、それが人生の目的だから。(写真を中心にしたアメリカの雑誌、LIFEのスローガン)

今日の気分を1と答えた時の名言

  • 将来にむかって歩くことは、僕にはできません。将来にむかってつまずくこと、これはできます。一番うまくできるのは、倒れたままでいることです。(チェコ人の小説家、フランツ・カフカ)

なぜこの名言を選んだのか

名言はなるべく聞いたことのあるものを避けて、メッセージ性のあるものを選びました。私自身、名言など良い言葉を見るのが好きなので、自分のお気に入りも入れていますが、伝わるものがあればうれしいです。

意識したこと

ユーザーの気持ちに寄り添えるよう工夫しました。数ある名言の中から、その人にしっくりくる言葉や表現を丁寧に選び取りました。また、アレクサの声がただ読み上げるのではなく、あたかも会話をしているように感じられるよう意識しました。当初は「では、名言です」と前置きしてから名言を伝えるようにしていましたが、それだと少し機械的に聞こえてしまい、対話の流れが途切れる印象がありました。そこで、余計な一言を挟まず、自然に名言へとつなげるよう工夫し、より会話らしい体験になるようにしました。

テスト中の画像

大変だったこと

Alexaスキル開発において、応答速度の最適化に苦労しました。当初、ユーザーの言葉のバリエーションを幅広く受け入れようとした結果、システムが適切な応答を探すのに膨大な時間を要し、応答速度が遅くなるという課題に直面しました。この問題を解決するため、私たちはアプローチを見直し、Alexaが認識する言葉の範囲を限定しました。これにより、応答が迅速になり、ユーザー体験が大幅に向上しました。

エラーの時の画像

総括

初めての開発で大きな緊張と不安を抱えてのスタートでしたが、周囲の方々の協力もあり、5日間で無事に完成へとたどり着くことができました。一見すると自由度が高いように見えても、実際には多くの制約があり、その中でどのアイデアを形にするか悩む過程を通じて、仕組みを理解することの重要性を学びました。また、モニターを通じた体験の必要性も改めて実感しました。開発中は当たり前に思っていたことも、第三者に見てもらうことで文字の大きさや音声認識の課題に気づくことができました。さらに、開発を進めるにつれて「もっとこうしたい」というこだわりや改善点が次々に出てきたことも印象的でした。自分たちの考えを形にするだけでも難しさを感じましたが、実際の業務ではお客様の要望に応える必要があり、そのハードルはさらに高いことを理解しました。今回の経験を通じ、多くの学びを得るとともに、実際の業務に近いイメージを膨らませることができたのは非常に貴重な体験となりました。

プログラムの画像